2月17日、市立図書館研修室において市危機管理課主催の防災講演会が開かれたので、朝倉台自主防災会や民生委員さんらと共に聴講してきました。
近年の防災意識の高まりで、会場はたくさんの住民の方々が聞きに来られていました。
桜井市松井市長、地盤工学会関西支部長の南荘氏のご挨拶の後、第1部として大阪教育大学名誉教授菅野耕三氏が「桜井市の地盤と自然災害」の講話が始まりました。
菅野教授は地質学がご専門で、「1500万年前、まだ人類が誕生する以前は耳成山や畝傍山は海底火山でした」といきなりびっくりするようなお話から始まります。
そして、桜井市の周りの活断層についてのお話があり、「奈良盆地は沖積層と呼ばれるまだ岩石化していない柔らかい地層で、朝倉台の地盤は花崗岩とその風化した真砂土からなります」と話されました。
特に桜井市では東大寺から三輪までの奈良盆地東縁断層帯や初瀬川沿いの名張断層の影響を受け安いとのことで注意が必要です。
最後に菅野教授は「油断大敵」「用意周到」「自立連携」と3つの教訓を話されました。やはり、自助・共助が大切と言うことですね。
第2部では熊本県宇土市の元松茂樹市長が熊本地震の経験についてお話しされました。
平成28年4月14日の地震では震度5強の揺れがあり16日には震度6強の揺れに襲われた話は生々しかったです。
災害対策拠点の市役所がひしゃげてしまい初期活動がままならなかったとは驚きです。
その間、1時間に50回の有感地震に襲われ「ずっと小舟に乗っているような感じ」と災害復旧もままならなかったことを話されました。
道路は寸断されたりで大渋滞で、市職員による避難所への備蓄配給も1日で枯渇したと話されました。県に非常食を頼んでも各市町村が一斉に要請するため大混乱で、やつと届いた1200食のおにぎりは賞味期限切れの有様だったそうです。
水道は8日目でやっと復旧したそうです。
後日、アンケートをとったら
◎ 避難した場所は 86%が車中泊(車の中が一番安全と思った)
◎ 家庭内で備蓄をしていた 31.7%(三軒に一軒)
◎ 近所との協力は 近所の人の安否確認をした(49.6%)
だったそうです。
大災害を被った場合、行政機関も被害を受けているため、俊敏には動けないのは明らかで、日頃から災害を想定して自力で生き延びる工夫をしてほしいと仰ってました。
最後に元松市長は
「大地震は起こらない」は「根拠のない盲信」
「災害時は行政が助けてくれる」と思っていませんか? 日頃から「向こう三件両隣」 の(共助)が大切です。
「最低3日分の家族全員の水と食料は常に備蓄して」(自助)
また、豪雨災害についても
災害が起こってから後悔しても手遅れ、100回逃げて100回空振りでも、 101回目も逃げること
と語っておられました。
経験された方のお話は実に説得力があります。
自治会でも、他山の石としてなお一層啓発活動に励んでいきたいと思います。